経済の原則でいえば、十分に大きなマーケットがあるならば、モノの価格はだんだん妥当なところに落ち着いてくるはずです。
ということは、もともと500〜700万円するポルシェ・ボクスターが100万円前後まで値崩れしていて、大丈夫なんでしょうか。
一般的にも、激安中古車を買って、買ってからすぐに部品交換や修理にそれなりのお金が掛かり、かえって高くついた、なんて話も聞きます。
100万円で買ったけど、あまりに傷んでいてすぐに壊れました、とか、結局200万円掛かりました、なんてこともありそうで怖い、とは自分も思いました。
そんな迷っている時に読んだのが、この本です。
左が古いほうで、右が少し情報が新しい改訂版。
どちらも絶盤ですが、旧版はKindleの読み放題で読めるので、入手しやすいです。いずれもAmazon、ヤフオク、メルカリなどで古本で出回っており、入手は難しくないですが。
大きく内容が違うわけではないですが、技術的な話やクルマの年式など、当然新しい方が情報が新鮮です。
結論を言うと、買ってOK
さて、これをいってしまうと本を読む意味が失せてしまいますが、結論はシンプルで100万円のボクスターは買っても大丈夫ということです。
昔の空冷時代のポルシェであれば、オイルが漏れやすい、オーバーヒートしやすい、部品が高価でちょっと替えるだけでも20万、30万がすぐ飛んでいく、というイメージがありました。
実際、構造的にオイルが漏れやすいため、メンテナンスフリーの国産車と比べるとそれなりに日頃からケアする必要がありました。
ところが986ボクスター、996型911の開発、つまりポルシェが空冷型から水冷型に大きくシフトする際には、ポルシェの技術陣が製造技術をトヨタに学んだと資料に書かれています。
たとえば部品のコストダウンのため、986と996のパーツを共通化するとか、メンテナンスをしやすくする工夫など。
結果的にボクスターは普段乗りに普通に使えるまでに、信頼性の高いクルマに仕上がっています。
昔の空冷時代は冷却効率がコントロールしづらく、真夏の渋滞でオーバーヒートしたり、熱で部品が劣化したり、ということが起きやすかったようですが、ボクスターは普通にオイルやブレーキパッド、タイヤといった消耗部品を定期的に交換するなど、普通にメンテナンスをしっかりしていれば大丈夫だと思います。
また現時点で1997-2000年頃に作られたボクスター986で20年後の今も動いている個体は、トラブル対策も終わっていて、消耗部品なども一通り交換されていて、まだしばらくは乗れるものだと言われています。
そもそもポルシェ自体が「当社で製造されたクルマの3分の2がまだ現役で動いている」と豪語するほど、ロングライフを前提に設計されているようです。ですから、それなりに手間とコストは掛かりますが、きちんと日頃のメンテナンスをしていれば、まだまだ乗れると思っています。

あといくら掛かるのか
実際に買ってみた感想は?
ということで、20年前にしては外見の状態はいいし、屋内保管されていたのか幌もあまり劣化していないし、ポルシェのカタログ値どおり街乗りでリッター7km以上走るし、まだまだ大事に乗り続けていこうと思っている自分の98年型ボクスターです。
とはいえ、もちろん20年前の半ばクラシックカーであり、それなりに劣化は見られます。
1ヶ月乗って、今後交換が想定されるパーツや起こり得る出費はこんな感じです。
1、車検
春先に買ったクルマですが、年末に車検がやってきます。どこで頼むか、どこまで直すか考える必要が出てくると思いますが、とりあえず基本料金や税金で20万円は見ておかないといけないと思っています。
今の国産1.5リッター車をお願いしている近隣の修理工場があるのですが、そこで出来るかは微妙かと思っています。
うちからアクセスのしやすい、東京西部、川崎、横浜あたりにいくつかポルシェやドイツ車に強いガレージがありますが、評判やコストなどを見ながら、いろいろ試してみたいと思います。本音を言えば、いつも近隣のオヤジにお願いできると安心なのですが。
2、エンジンオイル、ミッションオイル、ブレーキオイル
納品前にオイル類は新しくしてくれていました。エンジンオイルはスーパーGTのレースでもお馴染みのWAKO’sのシールが貼られていました。ポルシェの水平対向6気筒は8リットルのエンジンオイルを必要とするので、1回の交換で1万円を軽く超えます。
オイル類は消耗品ではあるので、年に1回程度の交換は必要だと思っています。ポルシェではMobile-1を推奨していますが、ある程度のグレードのものであればいいのかもしれません。まあMobile-1も無茶苦茶高価な訳ではないので、それでもいいのでしょうが。
またパワステは時折、挙動が重くなるので、パワステのオイルはよく見ていないといけないと思っています。
3、クラッチ
まだもう少し行けるとは思いますが、クラッチのミートポイント(動力がつながるところ)がかなり近くなっています。走行距離が7万kmなので、おそらく1回も交換されていないと思われます。
1回交換すると、20万円は掛かるようです。
4、タイヤ
1回は交換したのか、フロントがよく使われているミシュランですが、リアが台湾のナンカンのものでした。まだスリップサインが出てはいませんが、かなり磨耗しているので、これも近いうちに交換の必要があると思います。
一般的にポルシェはN1という分類コードの付くポルシェ純正タイヤを使うべき、といわれています。でも、国産のスポーツタイヤとかでも十分使えるといわれています。
近い将来、自分が替えるとしたら、ミシュランでなく、意外にあちこちで評判のいい、TOYOタイヤのPROXES SPORTSあたりでいいのではないかと思っています。
全部純正ミシュランだと工賃込みで15万円くらい掛かると思いますが、たとえば上記のPROXESで近隣のサービス工場で頼めば、9〜10万円くらいでいけそうです。
5、スパークプラグ
今もエンジンの回転がいまいち鈍いような気がしますが、その原因はプラグではないかと思っています。普通のクルマならボンネットを開けて工具があればプラグを外して磨いて、、、と出来ますが、ボクスターはエンジンルームが幌の格納場所の下でアクセスしにくいので、車検の時、またはクラッチ交換の時などに修理工場でまとめてやってもらおうと思っています。
プラグ6本セットだけだと1万円でお釣りが来ますが、ボクスターの場合、単にプラグ交換だけでなく、バッテリーの電圧を高圧に変換するコイルもセットになっているので、もう少し高く付くかもしれません。
6、電動ソフトトップ(幌)
今のところ、状態はいいし、幌を動かす時は少しずつ動かしたり、Z字に折りたたまれるよう手でアシストしたりして大きなトラブルにはならないと思いますが、幌の劣化や、電動のメカニズムなので故障が起きることはリスクとして考えておく必要があると思っています。
ポルシェのディーラーで純正で交換すると30万円はゆうに越えるようです。これをサードパーティ製の部品でショップでやってもらうと、20〜25万くらいで行けるようで。
とはいえ、安くはないので、壊さないよう、汚損させないよう、大事に扱うよう心掛けます。
7、ショックアブソーバー
別にサーキット走行をするわけでなく、高速道路も日本の法令の範囲内で120-130km/hくらいで走っているので、そんなにヘタってはいないと思いますが、20年落ちのクルマで、いずれは交換が必要になる可能性はあるかとは思っています。
純正のビルシュタインだと1回の交換で15〜20万円くらい掛かるようです。KYBなど国産で代用できるのか調べてみましたが、すぐには分かりませんでした。引き続き研究してみたいと思います。
まとめ
とはいえ、ドイツでアウトバーンで200km/h以上で走ったり、アマチュアレーサーが週末にサーキットで責めることも想定して作られているクルマであり、実際に乗ってみると、細かいところまで頑丈にしっかり作られているとは感じます。

上記の措置を今後2〜3年くらいで段階的にやっていくと、総額で50万以上、おそらく安く済ませても60〜70万円くらいは掛かりそうな気がします。
なお上記の本では、「常に20万円くらい余裕資金があると安心して100万円ボクスターを所有できる」とありました。
自分の感覚としては、100万円で本体を買い、それから50〜60万円くらい掛けて整備し、もう10年くらい乗れればいいなあという感じです。希望的観測ですが。


コメント
はじめまして
今月末に986納車予定です。購入して納車までのこの期間、期待と不安が入り混じりネットを色々みていたら、この素晴らしいブログにたどり着来ました。記事とても面白く参考になります。
是非これからも色々なネタで更新して下さい。
楽しみにしています!
メッセージありがとうございます!
また最近更新をサボっていて、気付くのに遅れて申し訳ありません!!
先日もクラッチを交換したり、色々イベントはありますので、頑張って更新していきます。
後藤様もぜひ(国産車よりは色々ありますが)、986ライフをお楽しみくださいね。もうすぐですね。
はじめまして!
来年1月終わり頃に986納車予定です。
サービスエリアで女性の乗るケイマンを見て以来、ポルシェ乗りたい病が再発。
コスト面が折り合う車体を探し、今回購入いたしました。
決めた後もネット情報を見るたびに本当に大丈夫だろうかという不安に苛まれる
日々でしたが、こちらの体験記に大いに勇気づけられております。
今後ともよろしくお願いいたします!
すっかり更新しないままで、ずっと気付かず申し訳ありません!!!
すでに納車されて楽しんでいらっしゃることかと思います。
そろそろ暖かくなってきたので、屋根を開けてぜひオープンの気持ちよさを満喫なさってください!